開発状況

PAI-1阻害薬:RS5614



PAI-1は血栓の溶解(線溶という)に必要なタンパクですが、近年では細胞の「再生」や「老化」に関与する一連の知見が明らかとなり、高齢化や生活習慣に伴う疾患の治療標的と考えられています。これまでヒトのPAI-1分子の活性を阻害できる医薬品は、臨床応用されていません。当社は、「再生」や「老化に関連した疾患」に応用できる可能性を持ったPAI-1阻害薬の開発に取り組んできました。

ヒトのPAI-1分子の結晶構造を基に、コンピューター工学を利用したバーチャル化合物ライブラリーの探索からPAI-1阻害候補化合物を取得しました。新規阻害化合物を10年以上かけてこれまで1,400個以上合成スクリーニングし、更にそれらの活性や安全性などを評価する中で、安全性に優れた経口投与可能な臨床開発候補化合物RS5614を取得いたしました。

老化した細胞、組織や個体(klothoマウス、早老症として有名なウェルナー症候群のヒト)では、PAI-1の発現が高いことが報告されました。老化モデルとして有名なklothoマウスでは、PAI-1を阻害することにより、老化の主症状を全てが改善することを明らかにしました。加齢に伴い発症するがん、動脈硬化、慢性閉塞性肺疾患、糖尿病、腎臓病、アルツハイマー病ではPAI-1の発現は極めて高くなっていますが、PAI-1阻害薬を投与することで、これら疾患動物モデルでの病態も著明に改善できます。

米中西部に暮らすアーミッシュの人々を調査し、PAI-1遺伝子を持たない人は、持っている人に比べて10年程度長生きすることを見出しました。また、欠損する人々は糖尿病など病気にもかかりにくいことが分かりました。


開発中のパイプライン


慢性骨髄白血病

メラノーマ

新型コロナ