腹膜透析は在宅での透析を可能とし、医療経済的にもメリットのある治療法です。
しかし、腹膜が経年劣化し重篤な合併症を引き起こす事があるので、5年程度で腹膜透析治療が中止される症例が多いです。
腹膜の状態を確認するためには、開腹手術若しくは腹腔鏡による侵襲的な観察しか無く、患者にも負担を強いています。腹膜透析患者は透析液を注入するチューブを常に腹膜に挿入した状態にあるため、この細いチューブを通して挿入し非侵襲的に腹腔内を観察する極細内視鏡の開発を着想し、東北大学、順天堂大学、東京慈恵会医科大学らと共同開発しました。
多くの医師の意見を基に、医療現場のスペックに適した外径約1mm程度のディスポーザブルファイバースコープ[i]です。本医療機器は、従来の消化器系の内視鏡とは異なるコンセプトで開発されたもので、胃瘻チューブ、尿道バルーン、気管チューブ、注射針からの挿入が可能で、様々な臨床的有用性も期待できます
この極細内視鏡は、腹腔内を可視化するためのファイバースコープ部分と操作性を容易にするためのガイドカテーテル[ii]部分から構成されています。ファイバースコープは厚生労働省から薬事承認されました。本製品の詳細は、以下のとおりです。
・ 承認番号:30400BZX00294000
・ 一般的名称:軟性腹腔鏡
・ 販売名:経カテーテル腹腔鏡 PD VIEW
・ 類別コード:器 25
株式会社ハイレックスコーポレーション及びその子会社である株式会社ハイレックスメディカルと付属品であるガイドカテーテル作成を含めた医療機器開発に関する共同研究契約を締結し、開発を進めています。
ガイドカテーテルの開発及び製造の目処もつき、ガイドカテーテルとファイバースコープを合わせて2026年内に薬事申請する予定です。
[i] ファイバースコープ(使い捨て):ディスポーザブル極細内視鏡の本体です。先端部は径1mm程度で、腹部に留置されているチューブの中を通ります。
[ii] ガイドカテーテル(使い捨て):ファイバースコープと組み合わせて使用することでファイバースコープの先端部分を自由に動かすことができます。ガイドカテーテルを使用しなくても、ファイバースコープのみで腹膜の状態を観察することが可能ですが、使用することで操作性が向上します。