世界保健機関(WHO)では、がん・糖尿病・循環器疾患に加えて呼吸器疾患を重要な疾患として考えています。
代表的な呼吸器疾患は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や喘息などです。呼吸器機能を診断する検査の普及が不充分なために、COPDなど呼吸器疾患の有病率、罹患率、死亡率などは明らかでは有りません。
呼吸器疾患や呼吸器機能の検査の中でスパイロメトリーが最も重要ですが、患者の協力(努力呼吸)が必要である点に加えて、正しく検査が行えたかどうかを判定し、かつ出力された結果(フローボリューム曲線)を解釈することが非専門医には難しいためです。
非専門医でも簡便に結果解釈できるシステムの開発は、呼吸器疾患を診断し、早期治療を行う上で重要な医療課題と考えられます。
フローボリューム曲線を解釈するプログラム医療機器を、京都大学、チェスト株式会社、NECソリューションイノベータ株式会社(NES)と共同で開発しています。最適な検出アルゴリズム決定のための初期精度検証は、1,900例のスパイロメトリー画像データを用いて行いました。
その後、本分析として、正しい例のデータセットを構築後、COPD、気管支喘息、特発性肺線維症(IPF)、健常人、気管支拡張症、気腫合併肺線維症(CPFE)、結核後遺症の7つの疾患データを分析しました。
その結果、スパイロメトリー画像データを用いた結果はそれぞれ、86%(健常人)、95%(気管支喘息)、85%(COPD)、93%(IPF)、75%(気管支拡張症)、66%(CPFE)、47%(結核後遺症)と精度の高い検出結果が得られており、2023年3月には当社における開発を完了して同年6月にチェスト株式会社と事業化段階に移行することを同意しました。
今後は、実用化に向けたシステム等の開発をチェスト株式会社が主体となって実施しています。