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安全、安心な血液透析医療を支援する人工知能(AI)開発の関連記事掲載のお知らせ

当社は東北大学や聖路加国際病院など複数の医療機関と共同で、人工知能(AI)を活用した慢性血液透析治療におけるプログラム医療機器を開発しています。本プロジェクトに関するインタビュー記事 (共同研究先である東北大学メディシナルハブ対応)が2022年12月9日号科学新聞に掲載されましたのでお知らせいたします。

(本プロジェクトの概要)

わが国には血液透析を受けている患者さんが約35万人います。患者さんは週に3回、1回あたり4時間から5時間をかけて血液透析を行い、ご自身の腎臓の代わりに体内の余分な水分を除水し、老廃物を除去する必要があります。血液透析中には過剰な除水で血圧低下などの副作用が起こることがあり、患者さんのQOLに影響するだけでなく、医療現場にも大きな負荷がかかります。

当社は、聖路加国際病院など複数の医療機関と共同で、専門医による透析療法データを学習させた人工知能(AI)を用いてプログラム医療機器を開発しています。2019年から本研究を開始し、東北大学メディシナルハブと連携することで、開発初期から医師、AI研究者、医療機器メーカー等と実用化へ向けた開発を進めてきました。現在、国内血液透析患者の1%に相当する医療データを用いて、ディープラーニングをベースとした独自のアルゴリズムを構築しています。既に、血圧低下に関しては9割程度の精度で予測可能であり、適切な除水量予測に関しても実臨床で使用可能なレベルに近づいています。 最終的には、患者さん個々のデータからAIが学習し、個々の患者に最適な血液透析治療を支援するプログラム医療機器を開発したいと考えます。患者さんに安心な透析医療を提供することができ、また透析診療に携わる医療従事者の負担も軽減できます。

AIプロジェクト全体の推進を図るため、2021年12月には東北大学とオープンイノベーションによる医療ソリューション開発契約を締結しました。メディシナルハブに当社研究拠点『Tohoku University and Renascience Open Innovation Labo (TREx)』を設置することで、より効率的な研究開発を進めています。

なお、科学新聞の記事は以下のリンクをご覧ください。