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キング・アブドラ国際医療研究センター、JPモルガン・アセット・マネジメント株式会社開催の「ライフサイエンス・イノベーション・フォーラム2025」における講演のお知らせ

2025年10月1日から10月2日にサウジアラビア・リヤドKSAU-HSコンベンションセンターで開催されている「ライフサイエンス・イノベーション・フォーラム2025」において、当社代表取締役会長兼社長の宮田敏男(東北大学大学院医学系研究科教授)が招聘され、10月1日に講演を行いましたのでお知らせいたします。

本フォーラムは、キング・アブドラ国際医療研究センター(King Abdullah International Medical Research Center:KAIMRC)1)が主催し、サウジアラビア投資省(Ministry of Investment of Saudi Arabia:MISA)2)及びJPモルガン・アセット・マネジメント株式会社(J.P. Morgan Asset Management)3)が共催したものです。

最先端のライフサイエンス研究成果の社会実装を加速させるためには、革新的な科学者と投資家、企業リーダーを結びつけ、バイオテクノロジー産業を強化することが重要です。本フォーラムの目的は「サウジ・ビジョン2030」などサウジアラビアの国家バイオテクノロジー戦略に基づき、サウジアラビアを世界のライフサイエンス最前線へと押し上げるために、ライフサイエンス分野における研究・イノベーション・産業・規制・投資などの視点から、サウジアラビアさらには国際展開に向けた連携や基盤を築くことです。

当社代表取締役会長兼社長の宮田敏男は、10月1日午前10時(サウジアラビア標準時〔AST〕、日本時間〔JST〕同日午後4時)からのパネルディスカッション「ライフサイエンス分野における国際協調」に登壇し、医療イノベーションにおける大学、公的研究機関やスタートアップ企業の役割と政府投資のあり方、そして長寿など重要な医学的課題に対する国際共同研究や共同臨床開発のあり方に関して発表しました。他のパネラーは、KAIMRC、MISA、サウジアラビア知的財産庁(Saudi Authority for Intellectual Property:SAIP)4)、キング・アブドラ科学技術大学(King Abdullah University of Science and Technology:KAUST)5) など、サウジアラビアの政府及び研究機関の代表です。

さらに、10月1日午後2時30分(サウジアラビア標準時〔AST〕、日本時間〔JST〕同日午後8時30 分)からの個別セッションにおいても招待講演を行い、当社が開発を進める抗加齢・長寿医薬品(Senolytic drug:老化細胞を除去し、がん化を促進する事なく老化関連疾患を抑制する新たな内服薬)候補であるプラスミノーゲンアクチベーターインヒビター(PAI)-1阻害薬RS5614について説明いたしました。

サウジアラビアは、「サウジ・ビジョン2030」という経済改革構想を推進しており、石油依存型経済からの脱却とそれに伴う経済活動の多様化を目指しています。「サウジ・ビジョン2030」における医療分野の主な目標は、ヘルスケアシステムの生産性、質、効率性を高め、国民の生活の質を向上させることです。本フォーラムへの参加と発表は、サウジアラビアの研究機関、政府関係者との連携の強化に繋がりました。

「ライフサイエンス分野における国際協調」 講演の模様

用語説明
1)キング・アブドラ国際医療研究センター(King Abdullah International Medical Research Center:KAIMRC)
サウジアラビアにおけるバイオメディカルおよび臨床研究の中核的公的研究機関です。KAIMRC は世界水準の研究インフラ、科学的専門性、戦略的支援を提供し、世界中のイノベーターやバイオ企業がサウジ市場へ参入する際の支援を行います。政府関係者との緊密な連携を通じて、国内のバイオテクノロジー・エコシステムへの円滑な統合を促進し、事業化、技術移転、長期的パートナーシップ構築を「サウジ・ビジョン2030」に沿って支援する研究機関です。

2)サウジアラビア投資省(Ministry of Investment of Saudi Arabia:MISA)
王国の投資を所管する中核政府機関であり、「サウジ・ビジョン2030」に基づき、サウジアラビアを世界水準の投資先として広く発信し、持続的な経済成長に資する投資の誘致・拡大、そして脱石油型の経済多角化を推進しています。とりわけ、ヘルスケア、バイオテクノロジー、テクノロジーといった高いインパクトをもつセクターを優先し、イノベーションと経済の多角化を牽引するとともに、国際的なパートナーシップを構築して、サウジアラビアを世界の投資分野の最前線に位置づけることを目的とします。

3)JPモルガン・アセット・マネジメント株式会社
バイオテクノロジー企業と投資家を結びつけることで、バイオテクノロジー投資のエコシステムにおいて重要な役割を果たし、本年のフォーラムの戦略的パートナーとして、科学と投資の接点を広げることに注力しています。ライフサイエンス企業に対して成長資金を供給し、戦略的パートナーシップの形成を通じて、世界のバイオ産業におけるイノベーションの推進に寄与しています。

4)サウジアラビア知的財産庁(Saudi Authority for Intellectual Property:SAIP)
特許・商標・著作権など知的財産を所管するサウジアラビア政府機関です。国内外の知財政策や国際的な枠組みにも参画し、知識経済の発展に寄与しています。

5)キング・アブドラ科学技術大学(King Abdullah University of Science and Technology:KAUST)
サウジアラビア政府が設立した研究大学院大学で、科学技術・工学分野の先端研究を推進し、国際的な研究者育成と産学官連携を進めています。