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新型コロナウイルス(COVID-19)肺炎の重症化を防ぐ薬の開発



新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の約80%は軽症で経過しますが、特に高齢者や基礎疾患を持つ患者さんなどでは肺炎が重症化し、肺傷害や呼吸不全(急性呼吸窮迫症候群、ARDS)に至ります。 重症肺炎患者は、人工呼吸器や人工肺(ECMO)の治療が必要となりますが、パンデミックによる急速な患者増に対して人工呼吸器や人工肺が世界的に不足しており、医療崩壊を招いている地域もでてきています。 また、隔離のための病床が不足していることから、軽症例の自宅待機の措置がとられてきましたが、発病当初は軽症であっても一部、急速に重症化する患者の存在が問題になっています。 肺炎の重症化を防ぐ治療薬の開発は、患者の延命のみならず、医療現場の負担軽減、医療資源の有効活用の上でも極めて重要です。


当社は、新型コロナCOVID-19肺炎の重症化を改善する医薬品(低分子)を開発しており、現在ヒト臨床段階にあります。 COVID-19の肺障害改善に対する有効性および安全性を評価するために、日本 、米国、トルコでの医師主導治験開始の準備をしています。 これらの治験の結果を総合的に評価し、世界的にも緊急の課題であるCOVID-19の治療薬開発に貢献すべく、早期に実用化を目指します。



■高齢者や糖尿病などの基礎疾患を有するCOVID-19肺炎患者さんの重症化を改善したい(医療の課題とニーズ)

高齢者や糖尿病などの基礎疾患を有するCOVID-19感染患者さんでは、肺の炎症、線維化、肺気腫などが背景にあるため、 COVID-19による肺の傷害が急速に進行する場合があります。 また、肺傷害には微小血栓が著明に認められるなど、COVID-19感染患者は血栓症リスクが高く、血液凝固能が高まっていることが報告されています。
2020年5月18日に厚生労働省が発行した『新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療手引き・第2版』においても、新型コロナウイルス感染症の患者さんでの血栓症予防が重症化を回避するための重要な治療と考えられています。



■開発中の医薬品(治療のアイデアとコンセプト)

当社で開発しているRS5614は、微小血栓の溶解を促進することが分かっており、動物試験で肺の気道炎症、線維化、肺気腫を有意に抑制します。 したがって、特に肺に基礎的障害を持つ高齢者や、代謝性疾患、動脈硬化、心疾患、腎疾患、悪性腫瘍などの基礎疾患を持ち、COVID-19感染症が悪化しやすい患者さんのARDSへの悪化を防ぎ、肺を保護する新薬として有用である可能性が強く示唆されます。 現在、軽症から中等症の肺炎を伴うCOVID-19感染患者さんを対象として、RS5614の治療効果と副作用を確認するための第二相試験(医師主導治験)を日、米、トルコの3地域で独立して準備中です。