開発状況

        

人工知能(AI)を活用した
医療ソリューションの開発



「医療分野への 人工知能(AI )の応用」は大きな可能性を秘めた医療テーマですが、それぞれのステークホルダーが課題を抱えている状況です。


□医師・医療機関(入口):
医療の課題や問題(ニーズ)を熟知し、豊富な医療データやアイデアなどを有するが、AIの知識やAI 企業とのネットワークが乏しく、具体的な研究開発に着手できない場合があります。

□IT企業:
医療分野への参入に興味を持つが、医師・医療機関とのネットワークが少なく、医療ニーズや薬機法などへの理解が不十分で、医療現場での本格的な開発は難しい場合があります。

□製薬・ヘルステック企業(出口):
AI活用への高い関心があるが、研究開発から事業開発まで、自社単独ですべて対応することが困難な場合があります。

当社は、医療ニーズの把握と医療現場での開発を重視する視点、多くの医師や診療科とのネットワーク、医師主導治験で蓄積された経験やノウハウを活かし、AIを活用した医療ソリューションの開発にも取り組んでいます。医療現場を熟知しており、豊富な医療データを有する医師や医療機関と連携し、薬機法に則った臨床試験(医師主導治験)が実施できるため、実地臨床に役立つ医療ソリューション(診断、治療)の開発が可能と考えられます。


現在、肺疾患(機能検査)、腎臓疾患(透析医療)、糖尿病など医療分野への AI 応用に関して次のような研究開発を進めています。


■呼吸機能検査診断法の開発

呼吸機能検査スパイロメトリーは、肺疾患診断に有用な呼吸機能検査ですが、その結果の解釈は非専門医には難しい場合もあります。多数の検査不具合例、疾患例の正解パターンを学習させ、スパイロメーターの数値結果に加えて、フロー・ボリューム曲線パターンの自動解析を実現し、非専門医の結果の解釈を補助する手段を提供することを目指します。当社は、2020年7月にスパイロメーター国内トップ企業と共同開発及び事業化に関する契約を締結しました。



■無症状透析を目的とした透析管理システムの開発

血液透析は慢性腎不全患者の生命維持に必要な治療です。慢性腎不全医療における透析治療では、急激な血圧低下、気分不良/嘔吐、筋肉痙攣など種々の併発症状が問題となっています。しかし、現在の技術では、一定の頻度で発生する透析中の血圧低下などのイベントを事前に予知することはできません。 当社では、不快症状を予防できる安全な透析管理手段を医療現場に提供することを目指し、東北大学、透析医療機関(聖路加国際病院、複数の透析クリニック)、国内大手ITベンダーなどと共同で、AIツールを用いて透析中のイベントを予知するためのシステム開発に取り組んでいます。
2020年4月には、金山クリニック、平針記念クリニックと、また2020年8月には聖路加国際大学と共同研究契約を締結して、研究開発を開始し、2020年12月には新たに他の透析クリニックグループを加えて共同研究を開始しました。



■糖尿病治療支援システムの開発

日本の糖尿病患者は1,000万人を超え、専門医のみで診療を賄うことは既に不可能です。糖尿病の治療薬は、複数種類のインスリン治療薬(注射薬)に加えて、複数の経口糖尿病薬とそれらの配合剤があり、また同じ系統でも複数の薬剤が上市されています。その組み合わせは無限に存在し、非専門医にとっては薬剤の選択は難しい課題となっています。
そこで、患者の糖尿病の状態(血糖コントロール、運動や食事の環境)、医療機関への通院状況、患者の経済状況などを考慮して、個々の患者に最適な治療のオプションを提示し、治療を支援するAIを活用した医療システムを、東北大学及び国内大手のITベンダーと共同開発しています。